いぐあなとうふ店:きまぐれ文筆&情報ブログ byいぐあな豆腐

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【二次創作SS】原題「嫁探しの旅」(ゼルダの伝説 風のタクト)

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【昔書いたSSシリーズ(2013)】

※オリジナルSSっぽいですが、実は「ゼルダの伝説 風のタクト」のパロディSSです。故郷の島のとある掟に縛られた少年が、風のタクトのパラレルワールドで繰り広げるお嫁さん探しの冒険のお話。よろしければ、設定メモもご一緒にどうぞ。未完です。(本文-約15,000文字)

 

 以下、原文まま。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――ハゲ「わしらの島の掟では、歳が15になった男は島を出て婚礼の儀に必要な深紅の宝石を探しに行くことになってる」

旅人「宝石?」

ハゲ「然様。この世界のどこかにある深紅の宝石を見つけ出し、その石で嫁さんに指輪を作るんだよ」

旅人「でも、じっちゃんは最初にお嫁さんを探して来いって・・・」

ハゲ「あれはアレだ。島リカンジョークさ。この島にも魅力的な年頃の女子(おなご)がいないことを皮肉っての、な?」

旅人「・・・確かに」

ハゲ「だろ?」

旅人「掟では島の外から連れて来た子と結婚してもいいんだね」

ハゲ「うむ。前例は数えるほどしかないが・・・お前が望むのならそれもまたひとつの選択肢だぞ」

 

 

旅人「でも正直、僕はまだ結婚したいなんて思ってないんだけど・・・。早すぎる気がするし・・・」

ハゲ「しかしこれが掟だ。もしもお前が次の誕生日を迎えるまでに結婚相手が決まっていないと・・・」

旅人「決まっていないと・・・?」

ハゲ「お前は、島の岩山の頂上にある童貞岩に全裸で縛り付けられて辱めを受けながら乾き朽ち果てることとなる」

旅人「ひぃ!そんなの嫌だ!」

ハゲ「それが嫌なら明日の朝一で島を出て、ここから300海里先にあるポポロ島へ行け。そこで宝石について聞き込みをすればすぐに手がかりが見つかるだろう」

旅人「でも、じっちゃん・・・僕は――」

ハゲ「これはうちの一族に代々伝わる剣とマントだ。宝石探しの旅はそれほど長くはなくとも険しい道になるだろうからな・・・」ジャキ...

旅人「でも剣なんて稽古でしか使ったことがないし・・・」

ハゲ「何のための稽古だボケ。それと、これはわしと島のみんなからの餞別・・・少ないが持っていけ」ジャリ...

旅人「じっちゃん、でも僕――」

ハゲ「でもじゃない!!!今日はさっさとクソして寝ろ!!!」クワッ!

旅人「うぅ・・・」ジワッ...

 

翌朝

 ザパーン、ザザー

島民たち「いってらっしゃ~い」ノシ

ハゲ「達者でなー!」ノシ

旅人「・・・」ノシ

 ドンブラコ...ドンブラコ...

旅人「はぁ・・・本当にこんな小さな船で300海里も先にある島までたどり着けるのかな・・・」

 

ポポロ島

旅人「なんとかたどり着いた・・・ポポロ島・・・」ゲソッ...

旅人「けど、途中で食べ物がなくなったから丸一日何も食べてない・・・まずはどこかでご飯を――」

???「そこの方ー!」

旅人「?」

案内人「はぁ、はぁ!こんにちは!この島は初めてですよね!?」

旅人「う、うん・・・キミは?」

案内人「あっ!申し遅れてしまいました・・・私は案内人のココっていいます」

旅人「案内人?」

ココ「はい!ポポロ島のことなら何でも知っているんですよ!」ドヤァ

旅人「そうなんだ・・・じゃあ、どこか食事のできるところへ案内してくれる?」

ココ「はい!!お食事ですね!?それならお魚料理が安くておいしいと評判のお店がありますけど、そこでいいですか?」

旅人「うん。なんだっていいよ」

ココ「かしこまりました!じゃあちゃんと私について来てくださいね?」

 

ココ「着きました!ここですよ!」

旅人「ありがとう。助かったよ」

ココ「えへへ・・・お礼されると照れちゃいます♪」

旅人「じゃあ、これで・・・」

ココ「あっ!?あの・・・!」オロ...

旅人「うん?」

ココ「その・・・お、お代をいただいてもいいですか・・・?」オロロ...

旅人「ああ・・・?そっか、キミは案内するのが仕事なんだよね。お代はいくらだい?」ゴソゴソ...

ココ「えっ!?い、頂けるんですか・・・?」パァァ...!

旅人「えっ?うん・・・いくら?」

ココ「うっ・・・」ジワッ

旅人「!?」

 

ココ「うっ、うっ・・・」シクシク...

旅人「ど、どうしたの・・・?どうして泣いてるんだい・・・?」

ココ「ひっぐ・・・ごめんなさい・・・私、ちゃんとお代を頂けるのがうれしくて・・・」

旅人「えっ?どういうこと・・・?」

ココ「ぐすっ・・・実は昨日も一昨日も、案内したコワモテの船乗りさんたちにはお代を踏み倒されちゃったので・・・」

旅人「そ、そうなんだ・・・」

ココ「というかむしろ、お代をちゃんと払ってくれるお客さんなんて、いつぞやのご隠居さん一人っきりでそれからずっと誰も・・・!うっ、うっ!」シクシク

旅人(この子、明るいわりに結構苦労してるんだなぁ・・・)

ココ「ぐすっ・・・えへへ・・・すみません、お客さん相手に愚痴っちゃいました・・・」ゴシゴシ...

旅人「別にいいよ・・・それで、お代はいくら?」

ココ「はい!カプラ銅貨2枚ほど頂戴いたします!」

旅人「えっ」
ココ「えっ!」ビクッ

旅人(安っ・・・)

 

旅人「本当にこれだけでいいの・・・?」チャリ...

ココ「あ、はい!これだけ頂ければ、市場で私の手のひらと同じくらいのパンをひとつ分けてもらえるので」ニコッ

旅人「・・・」

ココ「えへへっ♪ありがとうございました!では、私も旅のご幸運をお祈りしていますから!」

旅人「あ・・・うん。じゃあ」

ココ「さよならー!」ノシ

 タッタッタ...

旅人「ふぅん・・・」

旅人(僕は今まで、自分の島から出たことなんてなかった。だから、毎日おなか一杯食べられるのが当たり前だと思っていた)

旅人(だけど・・・外の世界ではこういうこともあるんだなぁ・・・)

 バタッ...!

旅人「ん・・・?」

ココ「」バッタリ...
旅人「!?」

 

島のレストラン

旅人「・・・」ポカーン...

ココ「はむはむ!もっもっ!ままままっ!」ガツガツ!

旅人「・・・お、おいしい?」

ココ「むっ!?」ギロッ
旅人「!」ビクッ

ココ「ハッ!?ご、ごめんなさい!わわ私、昨日の朝から何も食べていなくて・・・///」カァァァ...

旅人「でも、そんなにがっついたら喉詰まりするよ・・・?」

ココ「そ、そうですよね・・・んぐんぐ・・・///」モグモグ...

旅人「あむ・・・」モグモグ

ココ「ごくん・・・あ、あの?」

旅人「うん?」モグモグ

ココ「お客さんはどうしてポポロ島に?」

旅人「ああ・・・僕は探し物をするための情報集めにこの島まで来たんだ」

ココ「探し物、ですか?」カシゲ...

 

 

旅人「そう、ちょっとね・・・」カチャリ...フキフキ...

旅人「あ、そうだ?キミって、この辺りのことには詳しいんだよね?」

ココ「はい!ポポロ島のことなら沢山勉強したので、なんでも知ってますよ」

旅人「じゃあキミに聞けば何かわかるかも・・・深紅の宝石、って知ってる?」

ココ「はい!もちろん知ってます!深紅の宝石です――えっ?・・・あっ・・・しんくの・・・ほうせき・・・」

旅人「うん」

ココ「・・・」

旅人「・・・」

ココ「・・・」

旅人「・・・?」

ココ「・・・うっ」ジワッ...

旅人「わっ!?し、知らないならそれでいいよ!泣くほどのことじゃ・・・」オロオロ...

 


ココ「ぐすん・・・ごめんなさい・・・お役に立てなくて・・・」グスン...

旅人「いいよ、そんな・・・」

ココ「・・・お客さんにはその深紅の宝石がどうしても必要なんですか?」

旅人「うん・・・来年の誕生日までにその宝石を見つけないと、大変なことになるんだ・・・」

ココ「大変なことって・・・?」

旅人「うぅん・・・簡単に言うとすれば・・・死、かな・・・」

ココ「死!?」ビクゥッ!

旅人「島の掟でさ・・・男は深紅の宝石で指輪を作って16歳までに結婚しないと、死ぬまで岩に縛り付けられることになっているんだ」

ココ「えぇー・・・!?と・・・とっても怖い掟ですね・・・」ブルブル...

旅人「キミもそう思う・・・?ヒドイよね・・・」

ココ「うん・・・」

旅人「はぁ・・・」

ココ「・・・」

ココ(うぅ・・・私が勉強不足なばっかりに・・・こんなに親切で優しいお客さんの力になってあげられないなんて・・・)ショボーン...

 

 

 


ポポロ島

旅人「ふぅ」ケプッ

ココ「うぅーん・・・!こんなにお腹一杯食べたのは本当に久しぶりです~///」ポンポコリン

旅人「あはは、おいしかったね」

ココ「はい!ほんとにホントにありがとうございます!ごちそうさまでした!ココ、このご恩は一生忘れません・・・!」フカブカ

旅人「そんな大げさな・・・まぁ、大変だろうけど案内の仕事頑張ってね」

ココ「はい!・・・でも、お客さんのほうがもっともっと、とっても大変だと思いますけど・・・」

旅人「うーん・・・ともかく、まずはなんとかして宝石を見つけないと・・・」

ココ「・・・」シュン...

旅人「・・・はぁ、それじゃあ」

ココ「あっ・・・あの!」

旅人「?」

ココ「しんくのほうせき・・・深紅の宝石でしたよね?あの、私頑張って色々調べてみます!」

旅人「えっ?」

ココ「もしかしたら何にもわかんないかもしれませんけど・・・いやいや!絶対ちゃんと調べてすぐにお伝えしますから!じゃあまた!」ダッ!

旅人「あっ!?行っちゃった・・・」

 


旅人(結局、手がかりは何も見つからなかった・・・どうしよう・・・)

旅人(だけど、来年の誕生日まで時間はまだまだあるし・・・手がかりが掴めるまでこの島でじっくり宝石について調べればいいか・・・)

 ポツン、

旅人「あっ・・・」

 ポツン、ポツンポツンザァァァァァ....

旅人(結構強い雨だな・・・船に戻って休もう・・・)

旅人「ん・・・?」チラ...

ココ「・・・」

旅人「・・・ねぇ!」

ココ「えっ?あっ、お客さん!」

旅人「何を見てるの?」

ココ「ポポロ島の地図です。何か深紅の宝石に関してのヒントがないかなって・・・」

旅人「ああ・・・でも家へ帰らないのかい?雨、だんだん強くなってきてるみたいだけど・・・」

ココ「えへへ・・・私、ちゃんとしたおうちがないので・・・いつもこの木の下で寝てるんです」

旅人「あ・・・そうなんだ・・・」

 


ココ「お客さん自身では何かわかったんですか?」

旅人「今日は何も・・・だから明日もまた島の人たちに聞き込みをしようと思ってるんだ」

ココ「そうですか・・・頑張ってくださいね?ココも頑張りますから」

旅人「・・・ありがとう。キミには全然関係ないのに協力してくれて」

ココ「いえ、お客さんにはたくさんお世話になってしまいましたから、せめてもの恩返しです」ニコッ

ココ「あれっ?ところでお客さんはもう今夜の宿をとったんですか?」

旅人「ううん。僕は自分の船で寝るから」

ココ「そうですか。じゃあ大丈夫なんですね」

旅人「うん。よかったらキミも来る?狭いけど雨には当たらないで済むと思うよ」

ココ「えっ!う、う~ん・・・いいんですか・・・?あ、でも私はほら!まだ少し動き回って調査したいので!」

旅人「そう?だけどそんなに急がなくても大丈夫なんだ。時間にはまだ沢山余裕があるから」

ココ「そうなんですか・・・?」

旅人「うん。それじゃあ、また明日。風邪ひかないようにね」

ココ「あ、はい・・・また明日!おやすみなさい・・・」

ココ「・・・」

ココ(また明日・・・おやすみなさい・・・。こんな言葉、ずっと使ってなかったなぁ・・・)ホッコリ...

 


翌朝

住人「深紅の宝石かァ・・・どこかで聞いたこたァあんだよなぁ・・・」

旅人「本当ですか?どこで聞いたのか覚えてません・・・?」

住人「うーん・・・そうだなァ・・・」

ココ「お客さーん!!」タッタッタ...

旅人「あっ、キミは昨日の・・・。どうしたの?そんなに慌てて」

ココ「はぁ、はぁ・・・み、見つけました!島の外のことに詳しい学者さんに話を聞いたら、深紅の宝石のある場所がわかっちゃったんです!」

旅人「ええっ!本当かい!?」

ココ「はい!深紅の宝石は、本当は"深紅の宝玉"っていって、ここポポロ島から1200海里先にある竜の島にあるそうです!」

旅人「へぇ!深紅の宝玉・・・竜の島かぁ・・・!で・・・?えっ・・・せ、せんにひゃく海里!?」ガーン!

ココ「はい!1200海里ってどのくらい遠くなんですか?」カシゲ

旅人「・・・どのくらいだろうね」ドヨーン...

住人「おいおい・・・それに竜の島ってェいえば、断崖絶壁の人を寄せ付けない島だぜ・・・?」

 


  荒れ狂い渦を巻くような海の波

  四方八方から吹き付ける竜の息吹の如し強風

  そして船を着けることのできない断崖絶壁の海岸・・・

住人「・・・それに噂じゃあ、妙な化けもんが島に侵入する者を排除しようとするとか」

旅人「・・・」ガクブル
ココ「ひぇぇ・・・」ガクブル

旅人「ば・・・化け物はともかく・・・そんな噂があるってことは、断崖絶壁を乗り越えて上陸する方法もあるってことですか・・・?」

住人「ああ・・・噂自体は他所の島から伝わって来たんだがな。んでェ、この島の物好きたちが何人か、方法を調べ上げて竜の島へ向かったこともあったが・・・そいつらが帰ってくることはなかったよ」

旅人「・・・」サーッ...

ココ「その人たちはどうやって上陸する方法を調べたんでしょうか・・・?」

住人「生憎だがァ、オレは詳しく知らない。だけど聞いた話じゃ行方不明の物好きたちは出港の前、ポポロ鍾乳洞にある遺跡に入り浸りだったらしいヨ」

ココ「え・・・あそこですか・・・?」サーッ...

旅人「・・・?」

住人「知ってるたァ思うが、あそこはガチもんの化け物が出るからナ。止めはしねェが、行くってェならそれ相応の装備と心構えで行くこッた」スタスタ...
 


旅人「そんな・・・どうしよう・・・」

ココ「お、お客さん・・・鍾乳洞の遺跡に行くんですか・・・?」

旅人「・・・行きたくないけど、行かなきゃせっかく見つけた手がかりの確かめようがないし・・・」

ココ「あの洞窟にある大昔の遺跡には、島の人たち誰も絶対に近寄らないんです。さっきの人が言ってたみたいに怪物が出るから・・・」

旅人「どんな怪物・・・?凶暴なの・・・?」

ココ「私も聞いた話だけなのでよくわかりませんけど・・・他所から来た冒険家の人たちなんかがあそこに行ったまま帰ってこないこともよくあるみたいで・・・」

ココ「島の人たちはみんな"怪物に食べられちゃったんだ"って言ってますけど・・・」

旅人「・・・」

ココ「・・・お客さん・・・ホントに行くの・・・?」

旅人「・・・うん、行くよ。怖いけど、行かなきゃせっかくの情報が無駄になっちゃうから」

ココ「・・・」

旅人「その洞窟まで僕を案内してくれるかい?」

ココ「・・・」コクッ...

 

洞窟の前

ココ「着きましたよ・・・?ここです・・・」

 ヒュォォォォォ...ヴヴヴヴヴヴ...

旅人「ゴクッ…」ゾゾゾ...

ココ「あ、あの・・・」

旅人「・・・ありがとう。これ、お代の銀貨一枚。宝石のありかを見つけてくれたお礼も含めて・・・受け取って」スッ...

ココ「・・・!」

旅人「・・・?」

ココ「・・・い、いらないです!」ブンブン!

旅人「えっ?どうして・・・?」

ココ「私はただ、お客さんを助けてあげたかっただけですから・・・お代なんていりません・・・」シュン...

旅人「・・・」

 

ココ「・・・」

旅人「・・・わかった。ありがとう」

ココ「・・・」コクッ...

旅人「じゃあ・・・」スタ...

ココ「・・・」

 スタスタスタ...ジャリ、ジャリ...

ココ「あ・・・あの!」

旅人「?」チラ...

ココ「ココ、ここでお客さんのこと待ってますから!」

ココ「だから・・・ちゃんと帰ってきてくださいね・・・?」

旅人「・・・」

ココ「・・・」

旅人「・・・うん。きっと」ニコ...

ココ「・・・」

 ジャリ...ジャリ...ジャリ...

 

ポポロ鍾乳洞

旅人「・・・」キョロ...

旅人(意外と中は明るいんだ・・・壁の所々に穴が開いてて外の光が差し込んできてるから・・・)

 キラキラ... 

旅人(光が鍾乳石に反射して・・・綺麗・・・)

コウモリ「キーッ!キッ!」バサバサバサ!
旅人「うわぁっ!?」ビクッ!

旅人「はぁ・・・びっくりした・・・」ドキドキ...

旅人「!・・・あれは?」

 パチ...パチ...パチ...

旅人「たいまつが置いてある・・・誰かいるの・・・?」

旅人「!!」

 

ポポロルイナ遺跡

旅人「これが・・・遺跡・・・」

 パチ...パチパチッ...

旅人(不思議なたいまつ・・・誰も火の番がいないのに青い火がメラメラ燃えてる・・・)

旅人(・・・先に進もう)

 スタ...スタ...

旅人「わっ!?」ズデッ!

旅人「イテテ・・・」

旅人(何につまづいたんだ・・・?)チラッ

【人間の頭蓋骨】

旅人「わああぁぁぁーっ!?」

 


旅人「はぁ・・・はぁ・・・!」ドキドキドキ...

旅人(うぅ・・・もしかしてこれ・・・遺跡に行ったまま帰らなかった人かな・・・)

旅人(・・・)

旅人(化け物・・・怪物ってどんなヤツなんだ・・・僕なんかで太刀打ちできるのかな・・・)

旅人(・・・でも万が一のときは・・・じっちゃんから預かったこの剣で・・・)チャキ...

旅人(戦わなきゃ・・・)キッ...

 スタスタスタ...

旅人「・・・」

旅人「・・・」

旅人「・・・」

旅人「あっ?」スタッ...

 

遺跡広間

【祭壇に置かれた石版】

旅人(あれは・・・?)スタスタ...

旅人「・・・」

石版【(古代文字のようなもの)】

旅人(読めない・・・多分、これが竜の島に上陸するヒントなんだと思うけど・・・)

旅人「?」

石版【(切り立った崖の岩肌に生えている木に一羽の鳥がとまっている絵)】

旅人「・・・」

石版【(岩肌の木に向けて、船の上から何かを構えている人間の絵)】

旅人「・・・」

石版【(洞窟のような場所の最深部に置いてある宝箱から、鎖の先に矢じりがついたような道具が飛び出している絵)】

旅人「・・・?」

旅人(これ・・・最後の絵はこの遺跡の絵じゃないかな・・・?だとすれば、この先に宝箱があってその中に何かヒントになるような物が入っているのかも・・・)

 


遺跡深部

旅人(ここまで特に変わったことはない・・・逆に静かすぎて不気味なくらい・・・)

旅人「!」

【宝箱】

旅人(宝箱だ・・・!じゃあ、あの中に・・・)

 スタスタスタ...

旅人「・・・」

 ガチャッ...ギギーッ...

旅人「・・・?」

――「錆びついたフックショット」を手に入れた

旅人(これはなんだろう・・・?)

旅人「・・・!」ハッ...

旅人(そういえば、あの石版に描いてあった道具と似てるかもしれない・・・)

旅人(広間に戻って、もう一度石版と見比べてみよう)

 

 

遺跡広間

旅人「・・・!」

【石版の絵】

旅人(そうか・・・!この道具を使って、竜の島の岩肌に船から飛び移るんだ・・・!)パァァ....

旅人(・・・でも、この道具・・・錆だらけで、先端を飛ばすためのボタンらしきものがビクともしないや・・・)グググ...

旅人(とりあえず町に戻って、鍛冶屋さんにでもみてもらおうかな・・・)ゴソゴソ...

 ガシャンッ!

旅人「!?」ビクッ!

石像「・・・」ガタガタガタガタガタ…!
石像「・・・」ガタガタガタガタガタ…!

旅人「な、何・・・!?」オロオロ....

 ガシャーンッ!ガラガラガラ…!

怪物兵士A「ウオオオオオオオオオオ!!!!」
怪物兵士B「ウワアアアアアアァァアア!!!!」

旅人「ひっ!」ドクン...!

 


怪物兵士A「グゥゥゥゥ・・・」シャキーン...
怪物兵士B「ガルルルルル・・・」ガシャッ...

旅人「うぅ・・・こいつらが・・・怪物・・・」ジリッ...

旅人「・・・!」モゾモゾ...カチャッ、

旅人「はぁぁ・・・」シャキンッ…

怪物兵士A「ウオオオオオオオ!!!」ブンッ!
旅人「ハッ!?」チャッ!

 ガキンッ!!

怪物兵士A「グルルルル・・・!」グググ...
旅人「くっ・・・!うぅ・・・力が強い・・・!」グググググ...

怪物兵士B「ムゥゥゥゥゥ・・・フッフッフッフ・・・」ニヤニヤ...

旅人「くっ・・・てやっ!!」ガキッ!ブンッ!
怪物兵士A「ウオア!?ギャアアアアアアアアアア!!!!!」ブシャッ!
怪物兵士B「!」

怪物兵士A「」バタッ...シュワァァァァ....

旅人「はぁぁ・・・はぁぁ・・・」ゼェゼェ...

 

怪物兵士B「ガルルルルッ・・・!」ガシャッ...

旅人「くっ・・・!」チャキッ...

怪物兵士B「グゥゥゥゥ・・・」ジリ...

旅人「はぁ・・・はぁ・・・」ジリ..

旅人「たあっ!」ジャキッ!
怪物兵士B「フンッ!」チャッ!

 ガキンッ!!

怪物兵士B「ハア゛ッ!」ドカッ!
旅人「うわああああっ!?」

旅人「痛ッ!」ドサッ!

怪物兵士B「グルルル・・・」ジリジリ...

旅人「っぅ・・・くぅっ・・・」モゾ...モゾ...

怪物兵士B「コゾウメ・・・ソノホソイクビヲハネテヤル・・・」シャキンッ...

旅人「・・・!」ゾクッ...

 


ココ「お客さんッ!!」

旅人「・・・!?」
怪物兵士B「アアン?」チラ...

番兵「うおおおおおおお!!!」バッ!
怪物兵士B「ウオッ!?」ビクッ!

番兵「でやああぁッ!!!」ザシュッ!!
怪物兵士B「ギャアアアアアアアアアアアア!!!!」ブシャア!

 バタッ...シュゥゥゥゥゥゥ...

番兵「キミ!大丈夫か!?」

旅人「あなたは・・・?」

ココ「お客さん!」タッタッタ...

旅人「キミは・・・どうして・・・?」

ココ「この人は町の番兵さんです!私、あなたがなかなか帰ってこないから心配になって・・・」

番兵「ケガはないか?もう他の奴らはいないんだな?」

旅人「はい・・・二人だけです・・・」

番兵「ん?二人だと?だが私は一匹しか切っていないぞ?」キョロキョロ...

旅人「僕が・・・なんとか・・・」

番兵「・・・!」
ココ「・・・!」

 

 

ポポロ島

番兵「もう二度とあんな無茶はするなよ?」

旅人「はい・・・ありがとうございました・・・」ペコ...

番兵「しかし、遺跡の怪物をキミのような子供が倒すとはな。将来が楽しみだよ!」ナデナデ

旅人(・・・僕はこう見えても15歳なんだぞ。みんな背が低いからって・・・)ムスッ...

番兵「じゃあな。二人とも暗くなる前には町へ戻るんだぞ?」スタスタ...

ココ「はーい!ありがとうございましたー!」ノシ

ココ「・・・」チラ...

旅人「・・・」ムスーッ...

ココ「大丈夫ですか・・・?」

旅人「うん・・・もう平気。僕たちも町に戻って少し休もう・・・」

ココ「はい!じゃあまたついてきてくださいね?」

旅人「ああ・・・あのさ?」

ココ「なんですか?」

旅人「ありがとう。キミのおかげで助かったよ・・・」

ココ「・・・本当によかったです。お客さんがご無事で」ニコ...

 

ココ「それで、何か手がかりになるようなものは見つかったんですか?」

旅人「うん。ほら、コレ」スッ...

ココ「なんですかコレ?」カシゲ

旅人「この尖った先っちょを飛ばせる道具みたい。これを使って竜の島の岸壁に飛び移れるんだ」

ココ「えー?なんだか少し無理があるような・・・」

旅人「うーん・・・とりあえず錆びてて使えないから、試すこともできないし・・・何とも言えないかな」

ココ「じゃあ、どうするんですか?使えないなら直すしか・・・」

旅人「この島に鍛冶屋はある?そこでみてもらおうと思うんだけど」

ココ「カジヤ・・・?」キョトン...

旅人「・・・ないんだ?」

ココ「たぶん・・・」

 

市街地

住人「お前さん、マジで遺跡に行ってェ来たのかい!?」

旅人「はい。それで、遺跡の中でこれを見つけたんですが・・・」

住人「おうおう、そいつはフックショットじゃあネェか」

旅人「フックショット?」
ココ「ふっくしょっと?」

住人「そいつの先っちょが刺さる物・・・例えばあそこに生えてる木なんかに向けて撃てば、あの木のところまで持ち主ごとぶっ飛んで行けるスグレもんさ」

ココ「わぁぁ・・・!お客さん、大当たりじゃないですか!すごい!」パァァ...

旅人「でもコレ、錆びてて使えなくて・・・」

住人「どれどれ・・・ああ、こいつはひでェ・・・鍛冶屋にでもみてェもらわねェとナ」

旅人「この島に鍛冶屋は?」

住人「生憎、この島に鍛冶屋はねぇ。けど、隣のカンドー島まで行けば、そこに腕のいい鍛冶屋がいるヨ」

旅人「カンドー島?」

住人「ああ。ポポロ島から東へ200海里ちょいで行ける。竜の島からは少し遠ざかっちまうけどナ」

旅人「・・・わかりました。そこを訪ねてみます」

住人「そうかい。けどォ、今日はもう暗くなるから、出発は明日にでもしときナ」

 


旅人「ふぅ・・・やっとポポロ島に着いたと思ったら、すぐに今度は東のカンドー島か・・・」

ココ「でも、これでもう竜の島へは上陸寸前じゃないですか!よかったですね!」

旅人「うん。これもキミが一生懸命手伝ってくれたからだよ」

ココ「えへへ♪お役に立てて嬉しいです。これでちゃんと昨日の恩返しになりましたか・・・?」

旅人「もちろん!むしろ今はもう、僕がキミに恩返ししなくちゃいけないくらいだと思うよ」

ココ「あっ・・・じ、じゃあ・・・ひとつだけお願いしても・・・?」

旅人「えっ、何?」

ココ「えへへ・・・ごめんなさい・・・今日の晩ご飯・・・何でもいいのでご馳走してくれませんか・・・?///」ギュルル...

旅人「あはは!わかったよ、何が食べたいの?」

ココ「あ、いえ!お客さんが食べるものを少し分けてもらえるだけでいいんです」ニコッ

旅人「そんな、遠慮しないで?一緒に何かおいしいものを食べようよ」

ココ「・・・いいんですか・・・?じゃあ私・・・市場で食べたいもの選んでもいいでしょうか・・・?」

旅人「うん、いいよ。じゃあ、市場に行こうか」

ココ「はい!」

 

ポポロ岬

ココ「あむっ・・・♪」モグモグ

旅人「本当に夕日がキレイに見える場所だね」

ココ「はい!私がポポロ島で一番好きな場所なんです」

旅人「キミはずっとポポロ島で暮らしてたの?」

ココ「・・・」

ココ「・・・いえ、何年か前までは別のところに住んでいました」

旅人「ふぅん・・・どんなところ?」

ココ「・・・遠くの島です。とっても寒くて、何もなくて・・・」

旅人「へぇ・・・そこでも案内人をやってたの?」

ココ「・・・」

旅人「・・・」モグモグ...

ココ「・・・私・・・奴隷だったんです・・・」

旅人「えっ・・・」

 

ココ「とても寒い島でずっと・・・覚えているときにはもう、ソリを引っ張って荷物を運ぶ仕事をやらされてました」

旅人「・・・」

ココ「だから私、自分のお父さんもお母さんも知らなくて・・・見張りの人たちからは"お前は海で拾った子供なんだ"って教えられていて・・・」

旅人「・・・自分が奴隷だって、わかってたの・・・?」

ココ「・・・」フルフル

ココ「奴隷って言葉を覚えたのはポポロ島に来てからです。前にいた島からは空っぽになったタルに隠れて海から逃げてきて、ここに流れ着いたんです」

旅人「す・・・すごいな・・・よく無事でいられたね・・・」

ココ「・・・私も、漂流している間にきっとこのまま海の上で死んじゃうのかなって、何度も思いました・・・」

ココ「それが私が9つのとき・・・それからはずっとポポロ島で暮らしてます」

旅人「・・・ごめん・・・嫌なこと思い出させちゃったよね・・・」

ココ「いえ、忘れていたわけじゃありませんし・・・それに私、とっても気持ちが楽になった気がします」

旅人「えっ?」

ココ「・・・奴隷、って聞くとほとんどの人たちは良い顔をしないみたいなんです。だからこんなこと今まで誰にも話したことがなくって・・・」

ココ「でも・・・でも遠くの島からやって来た優しいお客さんなら、奴隷って聞いても嫌われないかなって・・・わかってくれるかなって・・・!」ジワッ...

 

ココ「ひっぐ・・・えっ・・・」ポロ...

旅人「・・・うん・・・辛かったんだよね・・・?」

ココ「うんっ・・・ぐすっ・・・寒くて、ひもじくて・・・怖い男の人たちに棒で叩かれて・・・足が冷たくて耳が千切れちゃいそうで・・・」ポロ..ポロ....

旅人「・・・」

ココ「うっ・・・うっ・・・」シクシク...

旅人「・・・」ナデナデ...

ココ「うっ・・・?お客さん・・・?」チラ...

旅人「大丈夫・・・もう大丈夫だよ。ポポロ島はあったかいし、食べ物もおいしいし、誰もキミのことを棒で叩いたりしないだろう・・・?」ナデナデ...

ココ「・・・」キョトーン...

旅人「ねっ・・・?だからもう泣かないで・・・?」ニコ...

ココ「・・・」パァァ...

ココ「・・・はいっ!///」ニコッ

 

 カァ...カァ...

旅人「・・・」

ココ「・・・」

ココ「お日様・・・海に沈んじゃいますね・・・」

旅人「うん。そうだね」

ココ「・・・」

旅人「・・・」

ココ「・・・お客さん?」

旅人「うん?」

ココ「明日・・・カンドー島へ行っちゃうんですか・・・?」

旅人「ああ、そうするつもりだよ。鍛冶屋にフックショットを直してもらわないと・・・」

ココ「・・・直ったら、またポポロ島に戻ってきますか・・・?」

旅人「うーん・・・戻っては来ないかな。そのまま竜の島へ行こうと思ってるから」

ココ「そうですか・・・じゃあ、もう会えないんですね・・・」シュン...

旅人「うん・・・お別れだね」

 

 

 


 ピカッ...

旅人「!」
ココ「!!」

 ゴロゴロゴロ...ドドドドーンッ!

ココ「きゃあっ!?」

旅人「雷だ・・・それに急に曇って・・・」

 ポツン...ザァァァァァァアアアアアアアアアアアア…!

 ゴロゴロゴロ…!

ココ「あわわわ・・・!」

旅人「うわぁ・・・ひどい嵐っ・・・!」

 ピカッ!ドドドドォーン!!!  

ココ「ひゃぁっ!?あの、あの!ココ、雷苦手なんです・・・!助けてください・・・!」ビクビク...

旅人「と、とりあえず僕の船まで行こう。もう一度"もやいづな"を縛り直さないと・・・」

 


旅人の帆船

 ギギギギギ...ゴゴゴゴ...

ココ「・・・」オロオロ...

 ギィ...

旅人「ふぅ・・・」

ココ「あっ、終わったんですか・・・?」

旅人「うん。少し揺れるけど、ひっくり返ったり沈むことはないから安心して」

ココ「はい・・・ありがとうございます・・・」コクッ...

旅人「ううん。よかったら今夜はここで休んでいきなよ。外にいて雷が落ちたら大変だし・・・」

ココ「・・・ほんとにいいんですか?」

旅人「うん。古くてボロボロの船だからあまり寝心地はよくないけど・・・狭いし・・・」

ココ「ううん、そんなことないです!あったかいし、明かりも点いてるし、雨とか雷の音もあまり聞こえないし!すごく居心地がいいです」

旅人「そう?ならいいけど」

 

旅人「はぁ・・・今日はすごく疲れた・・・僕はもう横にならせてもらうね・・・」ゴロン...

ココ「あっ、はい!私のことは気にしないでください。静かにしてますから」

旅人「うん・・・」

ココ「おやすみなさい・・・」

旅人「うん・・・」

ココ「・・・」

旅人「・・・」

ココ「・・・」

旅人「・・・」

ココ「・・・」ゴロン

ココ「・・・あの」

旅人「うん・・・?」

 


ココ「その・・・寝ちゃう前に、ひとつだけ・・・」

旅人「なぁに?」

ココ「その・・・お客さんの名前を聞きたいかなって」

旅人「あれ・・・まだ言ってなかったっけ?」

ココ「はい。たぶん・・・」

旅人「そっか、それはごめん・・・僕の名前はパルモだよ」

ココ「パルモ・・・?」

パルモ「男なのに変な名前だよね。みんなすぐ馬鹿にするんだ・・・」

ココ「そんなことないです。とっても素敵なお名前ですよ?」

パルモ「ふふ・・・そんな風に言ってくれるのは君が始めてかな。ありがと」

ココ「いえ!ほんとに思ったことを言っただけですから」

パルモ「そう・・・ありがとう・・・ココ・・・」

ココ「あっ、はい!・・・パルモさま・・・」

 


パルモ「ふわぁ・・・ごめん・・・僕もう眠っちゃいそう・・・」

ココ「どうぞ。お疲れなんですから、ゆっくり休んでください・・・あっ、私ももう寝ますからランプを消しましょうか?」

パルモ「うん、お願い・・・。できる?」

ココ「はい、ランプを使ったことはあるので・・・」カチャリ...

 フッ...

パルモ「ふぅ・・・」

ココ「・・・おやすみなさい」

パルモ「うん・・・おやすみ・・・」

 ゴロゴロゴロ...ドドドド!

ココ「うぅ・・・」ビクビク...

パルモ「・・・怖い?」

ココ「寝ちゃえば平気ですっ・・・!」ゴロンッ!

パルモ「ふふっ・・・」クスッ...

 


翌朝

パルモ「・・・」

パルモ「すぅ・・・」

パルモ「んっ・・・?」パチッ...

パルモ「・・・」ムクッ...

パルモ「んんーっ・・・!」ノビーッ...

パルモ「はぁ・・・!」

パルモ「ん?」チラッ

パルモ「・・・」キョトン...

パルモ「あれ・・・」

パルモ(あの子・・・もう起きて出て行ったのかな・・・?)

 


船のデッキ

パルモ(晴れたんだ。良い天気だなぁ・・・)ノビーッ...

パルモ(さて・・・出発の準備をしないと)

パルモ(食料と水は昨日買ったから大丈夫だし・・・あとは昨日の嵐で船に壊れたところがないか調べなきゃ)

パルモ(どこも浸水はしてないみたい・・・マストも無事だし、舵も壊れてない。あとは帆が破れてないか――)シュルルル...

ココ「パルモさまーーー!!」

パルモ「?」チラ...

ココ「はぁ・・・はぁ・・・!」ゼェゼェ...

パルモ「ああ、やっぱり先に起きてたんだ。よく眠れた?」

ココ「あ、はい!いや、えっとあの・・・!そうじゃ・・・なくて・・・」ゼェゼェ...

パルモ「?」

ココ「これ・・・お返しします・・・」スッ...

(銅貨二枚)

パルモ「えっ?これって・・・昨日僕がキミに払った案内のお代じゃないの?」

ココ「はい・・・お返しします・・・」

 


ココ「あ、あとコレっ・・・」ゴソゴソ...

パルモ「野イチゴ?りんごにキノコ・・・クルミも・・・」

ココ「起きてから集めてました・・・パルモさまの食料の足しになればと思って・・・」

パルモ「ああ・・・ありがとう・・・?これは助かるけど・・・」

ココ「・・・パルモさま。私、パルモさまにお願いがあるんです」

パルモ「うん・・・?」

ココ「パルモさまの宝石探しの旅・・・私も連れて行ってください!!」

パルモ「えっ!?」

ココ「もちろんお代なんかいりません!自分のご飯は自分でなんとかします!さ、魚が釣れたらパルモさまにも分けてあげます!」

ココ「あと、あと!パルモさまが宿に泊まっても私は外で寝ます!野菜とかカブトムシだって見つけるのは得意なんです!」

パルモ「・・・」ポカン...

ココ「だ、だから・・・宝石が見つかるまで、私をパルモさまの召使いとして一緒に連れて行ってください・・・!」キッ...

パルモ「ええっ・・・どうして一緒になんて・・・」

 

ココ「・・・ココ・・・ずっと独りぼっちで・・・家族も友達も、誰もいなくて・・・

ココ「そしたらパルモさまがポポロ島に来て・・・親切にしてくれて、一緒に宝石のことを調べて、ご飯食べて、嵐で揺れてるお船の中で一緒に寝かせてもらって・・・」

ココ「たったの二日だけですけど、私とっても楽しかったんです・・・それで、もしかしたらパルモさまとお友達になれるかもって思ったら、すぐにお別れなんて・・・寂しすぎて・・・」

パルモ「・・・」

ココ「パルモさまがいなくなったら、私はまた独りぼっちになってしまいます・・・こんなのワガママですけど・・・それがとっても寂しくて嫌なんです・・・」

パルモ「・・・」

パルモ(そうか・・・この子は今までずっと一人で生きてきたんだ・・・僕にはわからないくらい、きっとすごく寂しいのを我慢して・・・)

ココ「だからお願いします・・・役に立たないかもしれませんけど、ココ、一生懸命頑張りますから・・・」

ココ「パルモさまの言うことならなんでも聞きますから・・・だから・・・だから・・・」

ココ「だからココも一緒に連れて行ってくださぃ・・・」ウルウル...

パルモ「・・・」

ココ「・・・」

パルモ「うーん・・・」

ココ「ダメですか・・・?やっぱり迷惑・・・?」

 


パルモ「うん・・・僕としても仲間ができるのは助かるんだけど・・・」

ココ「・・・?」

パルモ「船旅って、とっても危険だし、竜の島だってどれくらい危ない場所なのか、話を聞いただけでまだ全然わからない・・・」

パルモ「そんな危険だらけの旅でキミについて来てもらっても・・・僕にはキミを守ってあげられる自信がないんだ・・・」

ココ「わ、私・・・!足手まといにならないように気をつけますから・・・」

パルモ「気をつけていても、遺跡のときみたいに突然何があるかなんてわからないし・・・やっぱりこれ以上、キミを巻き込むわけにはいかないよ」

ココ「ココは巻き込まれたいんです!危なくたって構いません、命を懸ける覚悟はできています!」

パルモ「・・・!」

ココ「・・・でも・・・どうしてもパルモさまがイヤだとおっしゃられるのなら・・・これ以上はお願いできませんよね・・・」シュン...

パルモ「んん・・・」コマッタカオ...

 

(了)